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【IPCC】人間活動が温暖化を引き起こしていると断言した第六次報告書とは?

IPCCは、世界中の科学者や専門家が参加している気候変動に関する国際的な権威的な組織です。今回はIPCCとその目的と、このIPCCが発表した第六次報告書についてわかりやすく解説をします。

IPCCとは?

「気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change)」の略称であり、国連環境計画(UNEP)と世界気象機関(WMO)が共同で設立した、気候変動に関する科学的知見をまとめるための組織です。
IPCCは、世界中の科学者からの意見や研究成果を取りまとめ、定期的に報告書をまとめています。これらの報告書は、気候変動に関する科学的知見を総合的にまとめたものであり、政策決定において重要な情報源となっています。

IPCCの目的

政府間で合意された手続きに基づき、気候変動の科学的知見を政策立案者や関連産業、市民社会に提供することを目的としています。また、地球規模での気候変動問題に取り組むための政策や対策について、科学的根拠に基づいた判断を支援することを目的としています。

IPCC第六次報告書からわかること

人為的な温室効果ガスの排出が主な原因であることは「疑いの余地がない」と断言

IPCCの初期の報告(20世紀後半)から「地球温暖化は人為的な温室効果ガスの排出が主な要因なのか」という論点について長い年月研究が続けられてきました。
過去のIPCCの報告書では「高い(>66%)」→「非常に高い(>90%)」→「極めて高い(>95%)」と遷移してきましたが、第六次報告書では「疑う余地がない」と断言されました。

過去2000年間の中で前例のないほどの気温上昇

🚨 Human influence has warmed the climate at a rate that is unprecedented in at least the last 2000 years.

左のグラフは、過去2000年の中でどれくらいの気温上昇をしているかを示したグラフです。明らかに産業革命以降に気温上昇していることがわかると思います。

右のグラフは、人為的な要因による気温上昇であることを示したグラフです。オレンジ色の背景の線が「人間活動による温度変化」で、緑色の背景の線が「自然活動による温度変化」です。これを見ると人間活動による温度変化は確実に起こっているということがわかると思います。

50年に一度の暑い日が10倍の頻度で発生する

地球温暖化の進行により、50年に一度の暑い日(あるいは同等以上の熱波)の頻度が増加することが予想されています。具体的には、地球温暖化が1.5℃の上昇を超えた場合、50年に一度の暑い日の頻度は、過去と比べて4倍増加するとされています。

また、地球温暖化が2℃の上昇を超えた場合には、50年に一度の暑い日の頻度がさらに増加し、過去と比べて10倍増加すると予測されています。
これらの予測に基づくと、今後、地球温暖化の進行により、高温による健康被害や作物の収量減少、水不足などの問題が増加することが懸念されています。

7m以上の海面上昇の発端が我々の世代になる可能性

地球温暖化が継続する場合、海水面が2300年までに7m以上上昇する可能性があるとされています。ただし、これは中程度から高い排出量シナリオに基づいた予測であり、温室効果ガスの排出量が大幅に削減された場合には、このような海水面上昇は避けられるとされています。

海水面上昇が7m以上になると、多くの低地の地域が永久的に水没することになり、数億人の人々が影響を受ける可能性があります。また、海面上昇により、洪水や嵐による被害が増加し、沿岸地域の生態系にも大きな影響が出ることが予想されています。

(参照:IPCC 環境省, 自社作成)

まとめ

いかがでしたか?

IPCCの最新報告書は、企業にとっても大きな問題である気候変動への警鐘を鳴らしています。温暖化が進む中で、企業活動による温室効果ガスの排出はますます問題視され、環境に配慮した経営が求められています。
今後ますます、企業は気候変動に対して責任を持ち、積極的に取り組むことが求められるでしょう。
この記事を通じて、IPCCについて理解を深め、企業活動における気候変動対策について考えるきっかけになれば幸いです。
環境エネルギー事業協会では、事業者様の「脱炭素ロードマップの作成」を支援させていただいております。

ご興味がありましたら、ぜひお問い合わせください。

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