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海洋酸性化とは? 影響と対策について解説します

温室効果ガスによって、自然環境に多くの影響を与えています。本記事では、深刻化する海洋酸性化の問題について、その原因から影響、さらには私たちができる対策に至るまでを掘り下げていきます。

海洋酸性化とは

人類の活動が原因で放出される二酸化炭素は、地球の気温上昇の大きな要因であり、この現象は海洋にも深刻な影響を与えています。具体的には、海水温度の上昇や海の水位の上昇を招き、これらは海洋生態系に悪影響を及ぼします。そのなかでも、大気中に排出された二酸化炭素の大部分が海に吸収されることで生じる「海洋酸性化」が近年深刻化しています。

 

海洋酸性化の原因

海洋酸性化の主な原因は、化石燃料の燃焼による二酸化炭素の大気への排出です。工場や自動車、電力生成など、人間の経済活動がこの問題の根幹にあります。大気中の二酸化炭素濃度が上昇すると、海水がそれをより多く吸収するため、海水中の炭酸水素イオンの濃度が増加し、pH値が下がります。この化学的変化が、海洋生態系に様々な影響を及ぼすことになります。

 

海洋酸性化の今後の影響

2021年のIPCC第6次評価報告書第1作業部会報告書によると、二酸化炭素の排出量が増えることによって、全球平均の海洋表面pHは、21世紀末には19世紀の終盤に比べ0.16~0.44低下すると予測されています。さらに、海の表層部分で吸収される二酸化炭素は、海洋の流れや生き物の活動を通じて海の深部へと運ばれ、そこに蓄積されることで、海の内部でも酸性化が進行していることが示されています。

(出所:気象庁)

海洋酸性化の影響は、海洋生物にとって深刻です。特に、カルシウムを含む殻や骨格を持つ生物、例えばサンゴや貝類、一部のプランクトンなどが直接影響を受けます。これらの生物は、海水中の炭酸カルシウムを利用して殻や骨格を形成しますが、海洋酸性化によりこのプロセスが阻害され、成長や生存に必要な構造を作り出す能力が低下します。

これらの生物は、海洋食物連鎖の基礎をなすため、その影響は海洋生態系全体に及びます。サンゴ礁の衰退は、魚類を含む多くの海洋生物の生息地を失わせ、生物多様性の低下を招きます。また、プランクトンは魚類の主要な食料源であり、その減少は海洋における魚類資源の減少に直結します。

 

海洋酸性化を防ぐために

海洋酸性化を防ぐための最も効果的な方法は、二酸化炭素の排出量を削減することです。これには、再生可能エネルギーへの移行、エネルギー効率の向上、森林破壊の阻止、新しい食生活への移行などといった気候変動対策が含まれます。また、炭素吸収源としての海や森林の保全も重要です。 他の記事においても説明していますが、具体的には、化石燃料に依存した生産・消費構造からの脱却、持続可能な農業や漁業の推進、温室効果ガス排出量の削減を目指した国際的な合意の実施などが求められます。

個人レベルでは、低炭素生活を心がけ、公共交通の利用、エネルギー使用の効率化、再生可能エネルギー源を利用することなどを通じて、二酸化炭素排出量の削減に貢献できます。

海洋酸性化は、一国だけでなく全世界の協力が必要なグローバルな課題です。地球規模での気候変動対策と連携し、総合的な取り組みを進めることが、海洋環境を守るためには不可欠です。

 

まとめ

いかがでしたか。

海洋酸性化についての理解を深められるような記事になっていれば幸いです。
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