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【大解剖】金融機関の脱炭素化を推進する国際イニシアティブ

気候変動問題対策において金融機関の役割は非常に大きなものとなっています。これは日本にとどまらずグローバル全体においてそうだと言えます。今回は国際的なイニシアティブについて解説していきます。

気候変動と金融機関の役割

気候変動に伴う経済的リスクと機会は、金融機関に新たな役割をもたらしています。温室効果ガス排出量の削減、再生可能エネルギーへの移行、持続可能なビジネスモデルへの投資など、脱炭素社会への移行をサポートすることが金融機関から求められています。この背景には、気候変動が金融市場に大きな影響を与えるという認識が広がっているためです。

国際的なイニシアティブの発展

民間主導で進められる国際的なイニシアティブは、金融機関が気候変動対策に取り組むための枠組みを提供しています。これらのイニシアティブには、ネットゼロバンキングアライアンス(NZBA)やネットゼロのためのグラスゴー金融同盟(GFANZ)などがあり、金融業界全体の脱炭素化への取り組みを加速しています。日本の大手銀行もこれらの動きに積極的に参加し、2050年までに投融資ポートフォリオの温室効果ガス(GHG)排出量を実質ゼロにすることを目指しています。GFANZ傘下には7つの団体が存在し、NZBA以外にも3つの主要な団体があり、あらゆるセクターにおいて目標の達成にむけて歩みを進めています。

GFANZ傘下の主要な団体


 

投融資ポートフォリオの脱炭素化

ネットゼロバンキングアライアンス(NZBA)への加盟は、銀行が自らの投融資ポートフォリオを通じて気候変動対策に貢献することを意味します。加盟する銀行は、中間目標の設定や行動計画の公開を含む、具体的な取り組みにコミットしています。これにより、金融機関は投資と融資の決定を通じて、気候変動に対する社会全体の対応を形成し、推進する力を持つことになります。

炭素会計と開示の重要性

金融向け炭素会計パートナーシップ(PCAF)は、銀行が自らのポートフォリオに含まれる温室効果ガス排出量を正確に把握し、管理するための重要なイニシアティブです。これにより、座礁資産のリスクを低減し、持続可能な投資を促進することが可能になります。日本の大手銀行もPCAFに加盟しており、融資や投資に関連するGHG排出量を評価し、開示することにコミットしています。

まとめ

いかがでしたか?

金融機関は気候変動対策において重要な役割を果たしており、国際的なイニシアティブへの参加を通じて、その責任を果たすための具体的な行動を取っています。これらの取り組みにより、金融業界全体の気候変動対策が加速され、経済全体の脱炭素化に向けた動きが強化されています。金融機関がこれらの国際的なイニシアティブに積極的に参加し、行動することで、気候変動に関するグローバルな課題に対して、より大きな影響力を持つことが期待されています。

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