ブログ

【最新版】TCFDコンソーシアム参加のメリットとは?

 

近年、TCFD賛同企業が非常に増えてきております。
「TCFDコンソーシアムの参加によってどのようなメリットが得られるのかわからない」というようなご課題を抱えている企業様が多いのではないでしょうか。
今回は、TCFDコンソーシアムに参加することでどのようなメリットが得られるのかを解説します。

目次

  1. TCFDコンソーシアムとは?
  2. TCFDコンソーシアムに入るメリット
    1. 情報交換や最新の知見を得られる
    2. 顧客との関係向上
    3. 金融機関からの信頼向上

TCFDコンソーシアムとは?

TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)コンソーシアムは、2015年に設立された、企業や金融機関などが気候変動に関連する財務情報開示に関する国際的な枠組みを推進するグループです。TCFDは、気候変動に関連するリスクと機会を適切に評価し、財務情報として開示することで、企業や金融機関が気候変動に対するリスクを最小限に抑え、機会を最大限に活用するための基準を提供することを目的としています。

TCFDコンソーシアム参加のメリット

① 情報交換や最新の知見を得られる

TCFDの行ったアンケートによると、「具体的な開示・利活用の方法に関する
情報収集」「国際的なTCFD関連動向の把握」「国内外のTCFDへの先進的取組状況に
ついての情報収集」のような国際基準の動向や気候変動対策についての情報交換を行いたい企業が非常に多いことがわかります。

(参照:2022年度 TCFDコンソーシアムTCFD開示・活用に関するアンケート調査)

また、TCFDコンソーシアムには、3つのカテゴリーのワーキンググループがあります。

 

情報活用ワーキンググループ

情報活用ワーキンググループでは、気候変動に関連するリスクや機会を評価し、組織の長期的な戦略や意思決定に反映させるための方法を検討しています。

  • 気候変動に関するリスク評価の方法について検討する。
  • 気候変動に関する情報を組織の戦略や意思決定に活用するためのガイドラインを策定する。
  • 気候変動に関連するリスクや機会について、企業や金融機関が情報を収集・分析し、組織内で共有するためのフレームワークを策定する。

情報開示ワーキンググループ

情報開示ワーキンググループでは、気候変動に関する情報開示に関する共通の基準を策定するための活動が行われています。

  • 気候変動に関する情報開示のガイドラインを策定する。
  • 気候変動に関連するリスクや機会に関する情報の開示について、企業や金融機関が遵守すべき基準を策定する。
  • 気候変動に関連するリスクや機会に関する情報を開示するためのフレームワークを策定する。
  • 気候変動に関する情報開示に関する国際的な基準との整合性を検討する。

専門ワーキンググループ

TCFDコンソーシアム内ででた課題に基づき、追加的に組成されるワーキンググループです。

② 金融機関からの信頼向上

TCFDコンソーシアムは、企業や金融機関が気候変動に関する情報開示を進めるためのグローバルな枠組みであり、その目的は、気候変動がもたらすリスクと機会を理解し、その情報を投資家に提供することにあります。このため、TCFDに参加することは、企業や金融機関が気候変動に対するリスクを適切に把握し、その情報を開示することを積極的に進めていることを示すことができます。

金融機関は、顧客からの信頼を得るためには、責任ある投資を実践することが求められます。特に、近年では、気候変動に関する課題が金融リスクとして認識され、金融機関はこれに対応するために、企業や投資先の気候変動に対するリスクや機会について評価することが求められます。

これを背景に、多くの金融機関がTCFDコンソーシアムの参加、開示を求めています。

また、金融機関は、TCFDコンソーシアムに参加することで得られた情報を自社の戦略に反映させることを求めています。また、中長期の戦略においては、最新の情報を踏まえ、金融機関が納得できる戦略を策定することが求められるでしょう。

(参照:TCFD)

金融機関が気候変動に関するエンゲージメントにあたってどのような点に注目しているか。

 

③  顧客との関係向上(新規顧客獲得、認知度向上、差別化等)

TCFDコンソーシアムへの参加やTCFDに基づく情報開示により、企業の環境・社会問題への取り組み姿勢や実績が透明化され、顧客や市場からの信頼を高めることができます。これにより、企業は認知度を向上させ、顧客からの支持を得やすくなります。

近年、環境・社会問題に関する消費者の関心が高まり、特にミレニアル世代やZ世代においてその傾向が顕著です。そのため、企業が環境・社会問題に取り組む姿勢が、購買行動に影響を与える可能性が非常に高いと言えます。

このような状況下では、環境・社会問題に積極的に取り組む企業は、CSR(企業の社会的責任)に対する取り組みが強いと認知され、企業イメージが向上し、新規顧客獲得につながる可能性があります。

TCFDのアンケートでも「顧客との関係向上に役だった」と答えている企業率が大幅に上昇していることがわかります。

(参照:TCFD)

まとめ

いかがでしたか?今回はTCFDコンソーシアムに参加することにより、金融機関や投資家からの信頼性向上や、情報収集・活用、取り組みの改善などのメリットがあることについて解説しました。TCFDコンソーシアムへの参加によって、企業の価値向上につながる機会を手に入れることができると思います。ぜひ参加を前向きに検討していただければと思います。
この記事が参加を検討している企業様のお役に立てれば幸いです。

環境エネルギー事業協会では、事業者様の「脱炭素ロードマップの作成」や「Scope1~3の算定」を支援させていただいております。ご興味がありましたら、ぜひお問い合わせください。

投稿日:
カテゴリー: 未分類