脱炭素の実現が喫緊の課題となっている今、小売業はどのような脱炭素対策を進めていけば良いのでしょうか?
施策事例と、先行企業の事例をご紹介します。
目次
- 施策事例
- 設備導入
- 運用改善
- 環境配慮型商品の販売・開発の実施
- レジ袋の削減
- 簡易包装の実施
- 従業員教育の推進
- 企業事例紹介
- アスクル株式会社
- 株式会社ファミリーマート
- まとめ
1.施策事例
小売業で実施されている施策事例をいくつかご紹介します。省エネ設備導入、商品開発等、多岐にわたります。
1.設備導入
・省エネ型照明(LED等)の導入
・省エネ型冷蔵・冷凍設備(自然冷媒、 扉付き等)の導入
・効率的な制御機器(BEMS、スマート メーター等)の導入
<課題>
省エネ型冷蔵・冷凍設備や効率的な制御機器は投資額が比較的大きいため、省エネ型照明ほどスピーディーに普及しないことが予想される。
2.運用改善
・照明調整(間引き、点灯消灯時間調整、人感センサー等)
(環境省主催のライトダウンキャンペーンへの参加)
・冷蔵・冷凍設備の設定温度の調整
<課題>
顧客の安全確保の観点から、過度な調整はできない。
3.環境配慮型商品の販売・開発の実施
・プライベートブランドのもとで環境配慮型商品を展開(総合スーパー)
・再生トレーにより資源を有効活用(総合スーパー)
・カーボン・オフセット付きシューズの開発・販売(総合スーパー)
・再生紙使用商品の販売(食料品スーパー)
4.レジ袋の削減
・レジ袋辞退時に購入代金割引/会員ポイントカードにポイント付与(総合スーパー、食料品スーパー)
・産学協同プロジェクトにて大学とオリジナルエコバッグを共同開発(食料品スーパー)
・マイバスケットの拡販(食料品スーパー)
5.簡易包装の実施
・ギフトの簡易包装を推進(総合スーパー、食料品スーパー)
6.従業員教育の推進
・環境eラーニングプログラムの実施、eco検定の受験費用負担による従業員の環境教育の推進
・CSRレポートやEMSハンドブックの社内回覧による従業員の企業取組への認知度・理解度の向上
参考資料※1
2.企業事例紹介
次に、小売業で脱炭素化を進めている企業事例をご紹介します。
各社、輸送等、サプライチェーンを巻き込んで脱炭素化を推進しています。
1.アスクル株式会社
<Scope1・2>
削減目標:2030年にゼロ
取り組み:
事業所・物流センターの電力の再エネ化および 配送車両のEV化
<Scope3>
取り組み:
・サプライヤーとの連携により、輸送の効率化
・年2回発刊しているカタログの電子化
・サプライヤーとの連携により、容器包装の省資源化。
・主要なサプライヤーとの連携により、原材料の調達から輸送に 至るGHG排出量の見える化をし、削減に向けて取り組む
2.株式会社ファミリーマート
<Scope1・2>
削減目標:2030年に2018年比で30%削減
取り組み:
店舗の省エネ設備導入と電力の再エネ化推進。
<Scope3>
削減目標:Scope3カテゴリ1: 2030年に2018年比で15%削減
取り組み:
サプライヤーとの連携により、容器包装の軽量化、環境配慮型素材の導入等に取り組む。
参考資料※2
3.まとめ
以上、小売業で実施されている脱炭素事例についてご紹介しました。脱炭素対策には設備更新、運用改善等、様々な方法があります。まずは御社の現状を把握し、対策を検討されてはいかがでしょうか。
2050年のカーボンニュートラルに向けて、大手企業を中心にCO2ゼロに向けた目標が設定され、それらの企業と取引をする会社にも影響が波及しています。
弊社では、お客様ごとに丁寧なヒアリングを行い、フルオーダーメイドで脱炭素化計画のご提案をしております。
CO2排出量の算定(Scope1,2,3)、2030年あるいは2050年を見据えたCO2削減ロードマップの策定、毎年の設備予算化や実行までを一貫してご支援致します。ご興味を持たれましたら、ぜひお気軽にご連絡ください。
<参考・出典一覧>
※1 経済産業省 2022年度第1回 産業構造審議会 産業技術環境分科会 地球環境小委員会 流通・サービスワーキンググループ 資料4-1
※2 環境省・経済産業省 グリーン・バリューチェーンプラットフォームウェブサイト 取組事例>各企業>その他の取組事例