【最新版】CDPとは？概要とスコアAリスト企業の紹介

プライム上場企業では、Scope1,2の開示が義務化され、ますます気候変動問題への対策が政府・金融機関・国民から求められてきています。今回は、環境保護非営利団体であるCDPについて、組織の概要からスコアリングまで幅広く解説をします。

CDPとは？

CDP (Carbon Disclosure Project) は、世界的な環境保護非営利団体であり、企業が気候変動や森林破壊などの環境問題に取り組む姿勢を評価することを目的としています。CDPは、投資家や顧客、政府機関などのステークホルダーによって、企業の環境パフォーマンスを監視するための標準化された手法を提供しています。

CDPの3つの質問書

CDPは、企業が環境問題にどのように取り組んでいるかを評価するために、以下の3つの質問書を使用しています。

気候変動に関する質問書

この質問書は、企業が温室効果ガスの排出量をどのように減らし、気候変動に対処するための計画をどのように立てているかについての質問で構成されています。具体的には、企業がどのような目標を設定しているか、どのような減排策を実施しているか、その結果どの程度温室効果ガスの排出量を削減できたか、また、今後どのような取り組みを進める予定かについて質問されます。

水に関する質問書

この質問書は、企業が水の使用量をどのように減らし、水資源を保護するための取り組みをどのように進めているかについての質問で構成されています。具体的には、企業がどのような水使用量目標を設定しているか、どのような水資源管理計画を実施しているか、また、サプライチェーンにおいて水の使用状況を把握し、改善を進めるための取り組みをしているかについて質問されます。

森林破壊に関する質問書

この質問書は、企業が林業製品（木材や紙など）の調達において、森林を破壊するような行動をしていないかについての質問で構成されています。具体的には、企業がどのような調達ポリシーを設定しているか、調達先の森林破壊リスクをどのように評価しているか、また、調達先企業に対して林業管理の改善を促すための取り組みをしているかについて質問をされます。

CDPスコアについて

CDPスコアは、企業がCDP質問書に回答した内容に基づいて評価されます。CDPスコアは、企業が環境に対する取り組みをどの程度進めているかを評価する指標であり、CDPが独自に開発した評価方法に基づいて算出されます。

CDPスコアは、AからDまでの4段階で評価されます。Aは最高評価であり、企業が環境に対する取り組みを十分に進めていることを示します。BからDまでの評価では、企業が環境に対する取り組みをある程度進めていることが示されますが、さらなる改善が求められます。

CDPスコアは、企業が気候変動、水、森林破壊のいずれの質問書に回答したかによって、それぞれの分野ごとに算出されます。また、分野ごとのスコアを組み合わせて、総合的なスコアが算出されます。

CDPスコアは、投資家や消費者などが企業の環境に対する取り組みを評価する際の重要な指標となっており、企業にとっても環境問題に積極的に取り組むことが、投資家や消費者からの信頼を得るために重要なものとなっています。

(参照：CDPスコアリング各種注意点)

CDPスコアのAリスト入りした企業

CDPは、毎年、スコアがA評価になった企業のリストを発表しています。世界の 330 を超える企業が、CDP 気候変動、フォレスト、水セキュリティいずれかの A リストに認定され、環境問題に対する透明性と活動のグローバルリーダーとして認められました。

また、Aリスト企業のうち、91 社が日本企業であり、世界で最多となっています。そのなかの内訳は、気候変動Aリストが74 社、フォレストA リストが4社、水セキュリティAリストが35社であり、いずれも世界で最多となっています。
以下がAリスト入りした企業です。

気候変動Aリスト

イオン
AGC
味の素
ANAホールディングス
アサヒグループホールディングス
アズビル
コカ・コーラ・ボトラーズ・ジャパン・ホールディングス
大日本印刷
第一生命ホールディングス
第一三共
ダイキン工業
大和ハウス工業
大和ハウスリート投資法人
大和証券グループ本社
デンソー
ファーストリテイリング
富士電機
富士フイルムホールディングス
富士通
日立ハイテク
日立製作所
ヒューリック
三越伊勢丹ホールディングス
J.フロントリテイリング
ジャパンリアルエステイト投資法人
日本たばこ産業（JT）
花王
川崎重工業
川崎汽船
KDDI
キリンホールディングス
小松製作所
コニカミノルタ
コーセー
丸井グループ
明治ホールディングス
三菱地所
三井不動産
ナブテスコ
日本電気（NEC）
ニコン
日本郵船
野村総合研究所
NTTデータ
大林組
オムロン
小野薬品工業
大塚ホールディングス
パナソニック・ホールディングス
ポーラ・オルビスホールディングス
リコー
三機工業
セコム
セイコーエプソン
積水ハウス
SGホールディングス
清水建設
塩野義製薬
資生堂
SOMPOホールディングス
ソニーグループ
住友化学
住友林業
サントリーホールディングス
太平洋セメント
大成建設
太陽誘電
武田薬品工業
横浜ゴム
戸田建設
東京製鐵
東急不動産ホールディングス
トヨタ紡織
豊田自動織機

水

アイシン精機
大和ハウス工業
デンソー
ファーストリテイリング
不二製油グループ本社
富士フイルムホールディングス
富士通
日立製作所
ジェイテクト
花王
キリンホールディングス
小松製作所
コーセー
ライオン
LIXIL
丸紅
明治ホールディングス
ミネベアミツミ
三菱マテリアル
ナブテスコ
長瀬産業
日本電気（NEC）
日産自動車
オムロン
小野薬品工業
大阪ガス
ローム
塩野義製薬
住友化学
サントリーホールディングス
TDK
東レ
トヨタ紡織
トヨタ自動車
横河電機

森林破壊

不二製油ホールディングス
花王
王子ホールディングス
積水ハウス

まとめ

いかがでしたか？今回はCDPについて解説しました。すべての企業が自社が環境にどのような影響を与えているか、その影響を報告することが求められています。ぜひCDPへの報告を通して、気候変動問題対策を進めていきましょう！

環境エネルギー事業協会では、事業者様の「脱炭素ロードマップの作成」や「Scope1~3の算定」を支援させていただいております。ご興味がありましたら、ぜひお問い合わせください。

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