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【GHG排出量】第三者検証は必要?CDPスコアアップの視点も含めて解説!

更新日:2024.11.08

目次

  1. はじめに
  2. 第三者検証とは?
    1. CDP
    2. ISO 14064-3
  3. 第三者検証の必要性
    1. 保証・透明性・信頼性
    2. CDPスコアアップ
  4. まとめ

1.はじめに

ESG投資が拡大する中、GHG(温室効果ガス)排出量の把握・削減と、それに伴う情報開示の必要性が高まっています。
日本でもESG投資の運用資産額が年々増加しており、投資家の脱炭素意識が高まっています。

(出典:環境省 「TCFDを活用した経営戦略立案のススメ~気候関連リスク・機会を織り込むシナリオ分析実践ガイド 2022年度版~」2023年3月 2023年8月1日閲覧)

国内では2022年4月、東京証券取引所がプライム市場上場企業に対して、TCFD開示を実質的に義務化しました。また、サプライヤーに対して情報開示を求める「CDPサプライチェーンプログラム」により、購買企業からサプライヤーに対してCDPの回答をするように要請されるケースも出てきており、大企業だけではなく、中小企業も情報開示の必要性が高まっています。

関連記事:「【2023年】TCFD開示実質義務化 時系列で解説!
     「【CDP】サプライチェーンプログラムとは?比較しながら紹介!

環境情報の開示についてはTCFD、CDP、SBTなど様々な枠組みが存在し、企業に対してGHG排出量を正確かつ効果的に開示することを求めています。また、単に開示するだけでなく第三者検証をおこなうことも、情報の信頼性を担保する上で重要なポイントです。

2.第三者検証とは?

開示情報を独立した第三者がチェックすることです。第三者は、データの収集、管理、 報告に対して、客観的な意見やアドバイスをすることが可能です。そのため、例えばCDPも第三者検証を推奨しています。
ここでは、CDPとISO14064-3を例に挙げ、それぞれが定義している第三者検証とはどのようなものであるかを、ご紹介します。

1.CDP

CDPのスコアリングでは、第三者検証を受けている企業がより高く評価されます。
CDPは、第三者検証について以下のように述べています。

<検証基準の基準>
以下6点。
Relevance(関連性)、Competency(能力)、Independence(独立性)、Terminology(用語)、Methodology(方法論)、Availability(入手可能性)

<CDPが認める検証基準(例)>
・ISO 14064-3(温室効果ガス-第 3 部:温室効果ガスに関する主張の妥当性確認及び検証のための仕様並びに手引)
・ISAE 3000(国際会計士連盟(IFAC)が発行する「国際監査および保証基準」)
・東京都 排出量取引制度
・埼玉県 目標設定型排出量取引制度
(参考:CDP [VerificationVERIFICATION FAQs]、CDPジャパン [CDPスコアリングイントロダクション 2023] 2023年8月2日閲覧)

2.ISO 14064-3

ISO14064-3は、「温室効果ガス-第 3 部:温室効果ガスに関する主張の妥当性確認及び検証のための仕様並びに手引」です。この規格をベースに、排出量の検証と妥当性確認をおこなうことができます。CDPも、検証基準としてこの規格を認定しています。
ISO14064-3は、検証について以下のように定めています。

<検証(verification)の定義>
「GHGに関する主張を、合意された検証の基準に照らして評価する、体系的で、独立し、かつ文書化されたプロセス。
注記 第一者による検証のような場合、GHGのデータ及び情報の開発のための責任がないことによって、独立性が実証できることがある。」

<検証を行う者(verifier)の定義>
「力量及び独立性を備え、検証プロセスの実施及びその報告に対して責任を負う人又は人々。 
注記 この用語は、検証を行う機関を指すために用いることができる。」
(定義出典:ISO14064-3 3.原則)

3.第三者検証の必要性

1.保証・透明性・信頼性

検証を受ける企業にとっては、開示情報作成のプロセスや結果を確認することができます(保証)。
開示情報を利用するステークホルダーにとっては、開示情報に対する透明性や信頼性の担保が得られます。

2.CDPスコアアップ

前述の通り、CDPのスコアリングでは、第三者検証を受けている企業がより高く評価されます。
CDPには「A~D-、F」のスコアがあり、気候変動プログラムにおいて企業が A リストに選定されるためには、CDP が認定した検証基準のもとでスコープ 1、2 の 100%、およびスコープ 3 の最低 1 つのカテゴリーで 70%の第三者検証を受けている必要があります。

よって、第三者検証を受けることは、CDPのスコアアップに繋がり、企業価値を高めることに繋がります。
(参考:CDPジャパン [CDPスコアリングイントロダクション 2023] 2023年8月2日閲覧)

4.まとめ

GHG排出量の把握・削減をし、さらにそれを情報開示することは、今後ますます企業経営において重要になっていくでしょう。
第三者検証は、自社の排出量を有効的に把握・削減するためにも、開示情報の透明性・信頼性を強化するためにも、重要な手段です。

以下の記事では、排出量の第三者検証の進め方についてご紹介しています。そちらも是非参考にしていただけますと幸いです。

関連記事:「【GHG排出量】第三者検証の進め方をISOに沿って解説!

 

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