ブログ

【業界別 脱炭素事例紹介】製造業(国内)

脱炭素の実現が喫緊の課題となっている今、製造業はどのような脱炭素対策を進めていけば良いのでしょうか?

製造業はCO2 排出量が大きく、日本国内の部門別排出量の3分の1を占めています。

出所:資源エネルギー庁 スペシャルコンテンツ 2023年8月10日「鉄鋼業の脱炭素化に向けた世界の取り組み(前編)~「グリーンスチール」とは何か?」(2023年11月22日閲覧)

今、製造業ができる脱炭素対策について、具体的な事例をご紹介します。

目次

  1. 事例紹介
    1. 鉄鋼業のグリーンスチール
    2. マックエンジニアリング(高精度加工)
    3. 恩田金属工業(金属加工)
    4. 小坂鉄工所(航空宇宙精密部品加工)
    5. その他
  2. まとめ

1.事例紹介

製造業で既に実施されている脱炭素化事例をいくつかご紹介します。

1.鉄鋼業のグリーンスチール

製造時のCO2排出量を従来の鉄鋼より大幅に削減した、いわゆる「グリーンスチール」のマーケットが国際的に拡大しています。日本でも、日本製鉄、神戸製鋼、JFEスチールなどの鉄鋼メーカーが供給について発表しています。欧米の大手鉄鋼メーカーも同様に対応を進めており、マーケットが立ち上がりつつあります。

  • 日本製鉄 “NSCarbolex(R) Neutral”

「電炉によるCO2排出量削減効果など、製造プロセスの変革・改善などによって実際に削減したCO2排出量の総量を把握し、任意の製品に振り当てる。」(※1)

  • 神戸製鋼 “Kobenable Steel”

「鉄鉱石の一部を「HBI(還元鉄を押し固めたもの)」に置き換える事で使用するコークスを減らし、 CO2排出量を削減させ、その削減効果を環境価値として、低CO2鋼材に対して割り当てる。」(※1)

2.マックエンジニアリング(高精度加工)

以下の実施を検討。
・空気圧縮機の漏れ防止によるエネルギー効率の向上
・エアーブローノズルの小口径化によるブロー量の削減を通じたコンプレッサーの電力使用量の削減
・屋根に遮熱塗料の塗布による空調負荷の軽減といった省エネ策
※3

3.恩田金属工業(金属加工)

空調とコンプレッサーの更新。
・高効率空調機への更新
 対策実施:2021-23年、投資金額:5,085千円、削減金額:434千円/年

・エアコンプレッサーの更新
 対策実施:2021年、投資金額:2,000千円、削減金額:57千円/年
※3

4.小坂鉄工所(航空宇宙精密部品加工)

2021年にコンプレッサー専用の排気ダクトを設置し、換気を見直すことにより圧縮効率を向上させた。2台のコンプレッサーを1台の高効率コンプレッサーに集約するとともに吐出圧を見直して運用。

5.その他

  • ガス転換・電化

・ボイラー:「重油ボイラー」から「都市ガスボイラー、ヒートポンプ」へ
・自動車:「ガソリン車、ディーゼル車」から「ハイブリッド車、電気自動車」へ
・工業炉:「焼却炉」から「電気加熱炉」へ

  • バイオマス利用 

・ボイラー:「重油ボイラー」から「バイオマスボイラー」へ
(燃料(未利用材、廃材、バイオディーゼル燃料など)の安定調達の可能性を検証する必要あり。)

  • 水素利用 

・自動車:「ガソリン車、ディーゼル車」から「燃料自動車(FCV)」へ
・工業炉:「焼却炉」から「水素バーナー」へ
※2

2.まとめ

以上、製造業で実施されている脱炭素事例についてご紹介しました。脱炭素対策には設備更新、運用改善等、様々な方法があります。まずは御社の現状を把握し、対策を検討されてはいかがでしょうか。
2050年のカーボンニュートラルに向けて、大手企業を中心にCO2ゼロに向けた目標が設定され、それらの企業と取引をする会社にも影響が波及しています。

弊社では、お客様ごとに丁寧なヒアリングを行い、フルオーダーメイドで脱炭素化計画のご提案をしております。
CO2排出量の算定(Scope1,2,3)、2030年あるいは2050年を見据えたCO2削減ロードマップの策定、毎年の設備予算化や実行までを一貫してご支援致します。ご興味を持たれましたら、ぜひお気軽にご連絡ください。

※1 出典 資源エネルギー庁 2023年8月10日スペシャルコンテンツ 鉄鋼業の脱炭素化に向けた世界の取り組み(前編)~「グリーンスチール」とは何か?
※2 出典 近畿経済産業局 はじめの一歩のサポートブック p8
※3 出典・参考 環境省 冊子 中小規模事業者向けの脱炭素経営導入事例集

お問い合わせ

投稿日:
カテゴリー: 未分類