IPCCが発表しているように気候変動によって、多くの環境に影響を与えています。特に温度や湿度の変化によって農業は多くの影響をうけます。
今回は、気候変動が農業に与える影響について解説をします。
地球温暖化の進行とその影響
2023年7月、世界は記録的な暑さに見舞われました。コペルニクス気候変動サービスによると、7月の世界平均気温は16.95度に達し、過去最高記録を更新。日本でも同月の平均気温は平年を1.91度上回り、1898年の統計開始以来で最も高い値を記録しました。これらの異常気象は、農業を含む多くの産業に深刻な影響を及ぼしています。
(出所:コペルニクス気候変動サービス、欧州中期気象予報センター)
農業への直接的な影響
気候変動は、高温や異常降雨といった形で農業に直接的な影響を与えています。日本の年平均気温は過去100年で1.30℃上昇し、農産物の品質低下や収量の減少をもたらしています。特に、水稲やりんご、うんしゅうみかんなどの品質に顕著な影響が出ており、栽培適地の変化や病害虫の増加が懸念されています。
(出所:農林水産省)
気候変動による間接的な影響
家畜伝染病や病害虫の拡散は、気候変動による間接的な影響の一例です。気候変動により、伝染性疾病を媒介する野生動物の分布域が拡大し、病害虫の発生地域や時期にも変化が見られます。これにより、食料生産へのリスクが高まり、例えば2018年のアフリカ豚熱(ASF)の発生は中国で豚の飼養頭数を約40%減少させ、豚肉価格の高騰を引き起こしました。
(出所:農林水産省)
対策
気候変動への適応策として、農業分野では以下の取り組みが求められます。
技術・品種開発と普及
気候変動リスクへの情報提供と、それに適応する生産安定技術や耐病性・耐候性を持つ品種の開発が重要です。これには、高温や豪雨に強い作物の栽培技術や、変化する気候条件に適した新しい作物の導入が含まれます。
生産基盤の強化
防災・減災機能を有する生産基盤の維持と向上を図ることで、自然災害による農業被害を最小限に抑えることが可能です。
病害虫・伝染病対策の強化
水際での病害虫や伝染病の侵入防止策の充実と、農場レベルでの管理強化を進めることで、家畜の伝染性疾病や病害虫のまん延リスクを軽減します。
気候変動は農業にとって避けられない課題ですが、適切な適応策を講じることで、その影響を軽減し、持続可能な食料生産システムの構築が期待されます。
まとめ
いかがでしたか?
気候変動問題がいかに農業に影響を与えるのかがご理解いただけましたら幸いです。
弊社では、お客様ごとに丁寧なヒアリングを行い、フルオーダーメイドで脱炭素化計画のご提案をしております。
CO2排出量の算定(Scope1,2,3)、2030年あるいは2050年を見据えたCO2削減ロードマップの策定、毎年の設備予算化や実行までを一貫してご支援致します。ご興味を持たれましたら、ぜひお気軽にご連絡ください。